ポッドキャストとは?
ポッドキャストとは?
簡単に言ってしまえば、 「ウェブを通して配信される音声コンテンツ」 だ。
ラジオのようなものもあり、音声ブログっぽいものもあり、オーディオドラマがあったり、バリエーションはいろいろである。
厳密には、ポッドキャストの仕様があり、仕様通りに配信すれが聴くことができるアプリやサービスは増えるが、最近では仕様どおりじゃないものもポッドキャストと呼ばれる。
ざっくり「音声コンテンツ全般」と言えるだろう。
AppleのPodcastには、動画やPDFの配信もできるが、うまく再生や表示がされないアプリもある。また、Spotifyでは動画が入っていると登録できない場合もあるので、ポッドキャストは「音声」と思っておいた方がいいだろう。
ポッドキャストはAppleのサービス?
名前の由来は、音楽プレーヤーのiPodと放送を意味するBroadcastを組み合わせた造語。そこからもAppleのサービスと思われがちだが実際には違う。
iPodユーザーであったAdam Curryがポッドキャストの誕生に大きく貢献している。
草の根的に誕生したポッドキャストは、どこか特定の企業が提供するサービスではなく、各々の配信者が提供するもので、後にAppleは更新情報を集約する番組表を提供するようになっただけだ。
Appleの提供する番組表が長らく業界標準になっていたが、ようやくここにきて、業界に動きが出てきた。今ではGoogleやSpotifyもプラットフォームとして力を入れ出し、多様化が進んでいる。
ある意味、この音声分野は、各プラットフォーマーが手付かずだった分野だが、音声スピーカーや音声ナビゲーションもきっかけとなり、一斉に取り組みだしたとも言える。
ポッドキャストを聴くには?
Appleは、iOS向けに「Apple Podcasts」アプリを提供し、MacとPCでも同期して視聴できる。
GoogleもAndroid向けにGoogle ポッドキャストアプリを提供し始めた。
いずれも無料アプリで、膨大な無料コンテンツにアクセスできるので、ユーザーは気軽に利用できる。スマートフォンで動画コンテンツを見るためのYouTubeアプリのようなものだ。
音楽配信サービスであるSpotifyは、音楽用にiOS、Android、パソコンなど様々なプラットフォーム向けにアプリを提供しているが、音楽とともにポッドキャストも利用できるようになった。無料ユーザーの場合、音楽のダウンロードはできないが、ポッドキャストの場合は無料ユーザーでもダウンロードして聴くこともできるので、ポッドキャストアプリとしても十分利用できる。ただし、登録されている番組数はまだ日本のものは多くなはい。
そのほか、ポッドキャストの仕様に基づいた、ポッドキャストを視聴できるアプリは、無料・有料含めて探すと数多くある。気に入ったポッドキャストアプリを見つけると快適にポッドキャストを楽しむことができるだろう。
ポッドキャストを配信するには?
ポッドキャストは特定の企業のサービスではないので、配信の仕方は様々だ。誰でも配信ができる一方、決まった方法もない。公開されている仕様に沿って作成できれば、どんな方法で配信しても、ほとんどのポッドキャストアプリで視聴することができ、AppleやGoogle、Spotifyに登録することもできる。
更新情報を提供する仕組みは、ブログの仕組みと同じであるため、かつてはブログのシステムで配信ができたが、今ではもっと簡単にポッドキャストに特化したサービスからも配信が可能だ。
最も簡単な方法では、スマホがあれば録音から配信までできてしまうようになっている。
ポッドキャストってどれくらい聴かれてるの?
前述したように、ポッドキャストは特定の企業が行うサービスではない。そのため、まとまった正確な数字がないのが現状だ。とはいえ、AppleのPodcastに登録しているポッドキャストは多いと思われる。
Appleは2018年3月に番組のダウンロード数が500億回を突破したと発表している。2005年から13年間での延べ数だ。
2014年に70億回、2016年に105億回、2017年に137億回だったのが、2018年に急激に増えてる。この数字、Androidの再生は一切含まれていないことを留意していただきたい。
https://www.fastcompany.com/40563318/apples-podcasts-just-topped-50-billion-all-time-downloads-and-streams
また、2018年でのアクティブな番組数は55万本と報じられ、そのほとんどが無料コンテンツとなっている。
https://techcrunch.com/2018/06/05/apple-podcasts-now-hosts-more-than-555000-active-shows/
リスナーにとっては選びたい放題である一方、番組を探すのが大変な状態だ。その部分は、Googleに期待したい。タイトルだけではなく、音声のコンテンツも検索できるようになるとも言っており、検索結果のページで再生できるようにもなってきている。
https://ascii.jp/elem/000/001/856/1856369/
音声の検索はAppleも新しいPodcastアプリでできるようになると言っている。
欧米では再燃しているポッドキャスト。日本ではどうなる?
2004年の夏に誕生したポッドキャストは、2005年にAppleが番組表を作ったことで一時的に盛り上がったが、その後、YouTubeなどの動画コンテンツの人気ですぐに低迷してしまった。YouTubeは、のちにGoogleが買収したことで、さらに企業主体で業界を牽引したことが大きいと言える。
ポッドキャストは、特定の企業のサービスではないことで、強く牽引する企業がいないことで、自由である一方、普及の足かせにもなったと言えるだろう。
しかし、2014年頃から、スマートフォンとSNSの普及によりポッドキャストを聴きやすい環境が整い、米国ではヒット番組が誕生したことで企業が再びポッドキャストに注目しだした。スマートスピーカーや音声アシスタントなどが注目する中で「音声コンテンツ」が再注目されるにしたがって、ポッドキャストの需要が欧米で再燃し、2005年のピークをすでに超えている。
日本では、表立ってはまだまだ小さな市場だが、普及する環境は整いつつあるのかもしれない。